三多摩のホテルを「高級」だけで見ない
高級ホテルという印象と、旅館業法・風営法上の営業区分を分けて、三多摩の街を見る視点を整理する。
各駅停車で三多摩を移動すると、駅前の建物を外から眺める時間ができる。ロビーが広い、食事ができる、部屋でゆっくりできる。そういう印象はわかりやすいけれど、行政の書類では別の線が引かれている。ホテルの値段や照明が、そのまま営業区分になるわけではない。
「ホテル」は印象ではなく営業の定義で見る
細かいことをいうと、旅館業法第二条第二項の「旅館・ホテル営業」は、施設を設け、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業と下宿営業以外のものだ。旅館業を始める者は同法第三条第一項の許可を受ける必要がある。ここで見ているのは「高級か」ではなく、宿泊料、施設、営業の形だ。ロビーで食事ができることや、部屋が上質に見えることは、別の話になる。細かいことをいうと「ホテルだから全部同じ窓口」でもない。施設所在地を管轄する自治体で、条例や構造設備の確認が要る。東京都の多摩府中保健所も、申請前に平面図を持参する事前相談と、完成後の検査を案内しているが、これは同保健所の管轄での案内であり、三多摩全域を一括りにする話ではない。
休憩と宿泊、建物と営業を分ける
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)第二条第六項第四号には、異性を同伴する客の宿泊(休憩を含む)に専ら使う政令上の施設を設け、その宿泊に利用させる営業が定められている。一方で、普通のホテルを見て「休憩があるから同じ」と決めつけるのも早い。細かいことをいうと、条文だけでなく、政令の構造設備と営業実態まで確認して初めて、個別の判断になる。入口の豪華さではなく、何を目的に、どんな設備で、どの営業をしているか。見る場所が違うだけで、建物の印象は同じままでも法的な整理は変わる。
この違いを知っていると、夜の街でホテルのロビーや食事の場を見るとき、値段の高さを許可の強さと取り違えずに済む。ボクは古い週刊誌を読んでいても、店の看板より先に、どの制度の話なのかを探してしまう。私が業界と行政のあいだで書きたいのは、どちらかを裁く答えではない。三多摩の同じ街でも、自治体の窓口や条例、施設の実態によって確認点は変わる。高級という言葉を入口にして、最後は書類と現場の両方を見る。そのくらいの距離が、ちょうどいい。
夜職専門行政書士
